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専業トレーダー DaTsU

我強気の節は人も皆強気

「わかっていているのですが・・・」皆がそう弱気になっているときは自分
も弱気になり、皆がカンカンの強気のときは自分も強気になってしまいます。
でも、弱気に傾いた時、強気に傾いた時、もう一度、「相場の状況」「外部環
境」「皆が皆同じになっていないか」などを考えて見ることが相場でうまく行
くためには必要なのかもしれません。

米弱みに見え、頻りに売り進み立ち候節、三日待ち、気を転じ買い方に付くべ
し、極めて利運なり。是非上ぐべしと買い気進み立ち候節、是又、気を転じ売
るべし。米商いの極意なり。この心忘るべからず。我強気の節は人も強気と思
うべし、我弱気の節は人も弱気に片寄るなり。上げ詰め下げ、下げ詰め上がる、
陰陽自然の道理なる故、考えに及ばざるなり。専ら三位伝に任すべし。

 相場が弱く見えて、ものすごく売りたくなってきたときは三日待って、気持
ちを切り替えて買い方に付くべきであり、そうすれば儲かるものです。これは
絶対上がる、と買い気十分なときは、是も又気持ちを入れ替えて売りに回るべ
きなのです。これは相場の極意です。この心持ちは忘れてはいけません。自分
がカンカンの強気の時は人も皆強気と思うべきです、そして自分がものすごく
弱きの時は人も皆弱気に片寄るものなのです。上がるだけ上がれば下がる、下
げるだけ下げれば上がる、というのは自然なことなので考えるまでのことはな
いのです。専ら三位の伝に任せるべきなのです。

 どんどん上がる相場というのはとても強気になって「もっと上がるのではな
いか」と買いついてみると天井であったり、どんどん下がる相場で皆が弱気に
なっているときに得てして自分もものすごく弱気になり、どうしようもない不
安に駆られ大損して投げたところが底だったと言うことも良くあることなので
す。でも、これはよくよく考えてみると宗久翁が言うまでもなく当たり前のこ
となのです。皆が上がると思って買いついたあとはいったい誰が買うのでしょ
うか?誰も買う人がいないと我慢しきれず見切る人が出てきます。そうすると
相場が下がり、投げが投げを呼んで相場は下落となるのです。逆に皆が投げ、
売った、あとはどうなるのでしょう。誰も売る人がいなければ我慢しきれず買
い戻しも入ります。そして買戻しで値を戻しだすと「やはり底だ」とばかりに
買いが集まり、値を戻す、ということになるのです。良く相場を見極めて自分
も皆も強気になったとき、皆も自分も弱気になったときには注意が必要なので
はないかと思います。


豊年に米売るなということあり。但し、豊年故人気弱く、相場見越し安きなり。
日本中、上作稀なり。いずれかの国か欠作出る故、九、十月より大阪上げ来る
べし。また、豊年と諸方へ聞こゆる故、冬中買い人も来るべし。

 豊作の年に空売りをしてはいけないということがあります。豊作の年は人気
も弱く、相場の見通しも安くなるものです。ただ、日本中全部が豊作となるこ
とはまれで、9月、10月と値段の高いものも入ってきます。また、豊作と全国
に聞こえることで、普段は人気のない、冬の間にも買い付ける人が出てくるの
です。

 株式相場でも決算が悪く売られることもありますが、売りが一巡すると、も
う売る人もなく、悪材料出尽くしから買われることもあります。決算が悪いか
らといって単純に売り進むのも危険でどこまで、織り込んでいるかということ
が重要になってくるのです。
 また、企業決算の悪いものが多いとされ相場全体が落ち込んでいるときも
「悪い悪い」と織り込んでくれば相場も反発してくるものなのです。皆が弱気
の時は相場も底になる、皆が強気の時は相場も天井となることが多い、という
ことです。


天井を買わず、底を売らず。但し、第一の心得なり。上がる時も下がる時も、
天井底を知らざる故、此の上、何程上がる下がると上げ留まり下げ留まりの考
えもなく、買い募り売り募る故。つまり損するなり。上げ過ごす時は、その後
決して下がると心得べし。下がる時は、決して上がると心得べし。此の時、欲
を離れ思い入れを立つべし。

 天井を買わないこと、底を売らないこと、が大切で、まず最初に考えなけれ
ばならないことです。上がる時も下がる時も天井や底を考えていないと、あと
どのくらい上がるのか下がるのか、何処で上昇が止まるのか下落が止まるのも
考えずに売り買いするから損をするのです。上がり過ぎたものは必ずその後下
がるものと考えておくべきで、下がるときはその後上がると考えるべきなので
す。このときに欲張ったり、変な思い入れを捨てなければならないのです。

 今の株価の位置がはたして高いのか安いのか何も考えないで、闇雲に「○○
に書いてあったから」「△△さんが言っていたから」と言うだけで買いついた
り、売ってみたりするのはとても危険なことです。この相場の底がこのあたり
だと思うから、ちょっと買ってみる、とから、まだ天井までかなり値幅があり
そうだから買って見よう、というように常に天井や底、上値目処、下値目処な
どを考えて投資すべきなのでしょう。また、損切り(損失を確定する反対売買)
の水準を決めておくこともとても大切なことです。「前の高値を割り込まなけ
れば1,000円まで行く」などと考えて、「前の高値」を割り込んだら、損をし
てでも売ってしまう、といったようなことが大切なのです。
 いずれにしてもチャート等を利用して天井や底、今の株価位置をしっかりと
把握して、最初に決めた通りの損切りや利益確定をしっかりとしておくことが
大切なのではないかと思います。


 なかなか頭ではわかっていても行動が伴わない、というようなことが良くあ
ります。相場のうまい人、下手な人(「プロ」と称するディーラーにもうまい
人と下手な人はいます)の一番大きな違いは「割り切り」、「決断力」ではな
いかと思います。きっちりと取るべき利益は取り、出すべき損は出す、といっ
たことが冷静に出来れば「損失を少なく、利益を多く」することも可能で、う
まく儲けることが出来るのではないでしょうか。


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